【多国籍なメンバーが語る、Green Carbonというフィールド】
もしもあなたが国境やセクターの枠にとらわれることなく、
「自分の仕事を通じて、地球規模の課題に本質的なインパクトを与えたい」と願うなら
——世界から人が集まるGreen Carbonには、その想いを仕事に変える仲間がいます。
今回はその中から、チュニジア・フランス・インド・日本出身の5人——Farahさん、Eleaさん、Ayumiさん、Deepakさん、Akaneさん——に集まってもらい、国籍や文化の違いを通して色んな国から集まるGreen Carbonだから発信できるクロストークを実施しました。
彼らの「原点」「転機」「いま胸にある想い」「未来世代に伝える言葉」を辿ることで見えてくるのは、それぞれの“多彩な”生い立ちと、“確かに”共通する地球規模の課題意識。そして、その課題解決に“一緒に”なって取り組むことのできるGreen Carbonという稀有なプラットフォームの姿です。
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Introduction

Farah Zribi
出身:チュニジア
所属部署・役職:海外事業部 事業開発・調査チーム
専攻/学んでいたこと:経営学(国際貿易)
インタビュー記事:https://green-carbon.co.jp/jpvol51interview/

Eléa Salomé Thiais
出身:フランス
所属部署・役職:海外事業部 調査チーム インターン生
専攻/学んでいたこと:経済学(持続的可能な開発)

Ayumi Sakuno
出身:日本
所属部署・役職:海外事業部 事業開発・システム開発チーム
専攻/学んでいたこと:生命科学(腸疾患・乳がん)
インタビュー記事:https://green-carbon.co.jp/jpvol47interview/

Deepak H V.
出身:インド
所属部署・役職:海外事業部 投資・認証チーム マネージャー
専攻/学んでいたこと:生命科学(アルツハイマー病治療薬開発)
インタビュー記事:https://green-carbon.co.jp/jpvol28interview/

Akane Ushijima
出身:日本
所属部署・役職:国内事業部 インターン生
専攻/学んでいたこと:農学(ブルーカーボン)
〇動画でもご覧になれます(約30分)
Chapter1:Roots「見てきた景色」——それぞれの出発点
── それぞれのルーツについて教えてください。子どもの頃に印象に残っている風景や思い出はありますか?
Farah: チュニジアにいる“家族とのつながり”
えっと、これは個人的な話でいいんですよね?
(「はい、パーソナルな視点でお願いします」)
私はチュニジア出身です。アフリカの北に位置するところです。
子どもの頃に強く印象に残っているのは、“家族とのつながり”ですね。
たとえ何千キロ離れて暮らしていても、家族とは常につながっていて、とても近い関係を保っています。その「帰属意識」みたいな感覚が、いつも心に残っています。
Elea: フランスの“山と静けさ”に包まれた故郷
私はフランス出身です。両親と一緒に、山に囲まれた小さな村で育ちました。
だから、子どもの頃の風景といえばやっぱり山ですね。よくハイキングをしていました。
静けさの中で暮らす感覚とか、自由にのびのびと生きている感じ—そんな印象が強いです。

Ayumi: 日本・アメリカ―海辺や公園で過ごした時間
私は日本出身なんですけど、小さい頃は父の仕事の関係で、国内でもいろんな場所に引っ越したり、アメリカにも住んでいました。
なので、印象に残っているのは海辺や公園で過ごした時間ですね。
「一緒に遊ぼう!」って誰かに声をかけて、一緒に走り回ったり。
そんな時間が、すごく印象に残っています。
Deepak: インドの土の匂いが呼び起こす記憶
僕はインドの出身です。南インドですね。南インドは文化も人も宗教もすごく多様なんですよ。自分の家はヒンドゥー教の家庭なんですが、インド全体では本当にさまざまな宗教が共存しています。
子どもの頃の思い出といえば、やっぱりモンスーン(雨季)ですね。雨が降ったあとの“土の匂い”――あの泥の香りが大好きなんです。
今でも、インドに帰るとその匂いを感じて懐かしくなります。
Akane: 日本―街の中に息づく“自然”
私は横浜市で育ちました。中でも小さな町で育ちました。
自然というよりは、公園や街並み、そして“みなとみらい”の景色が印象に残っています。

・・・
Farah:
雨の匂いの話、すごく共感します!!
私もあの“雨上がりの土の匂い”が本当に恋しいんです。
Deepak:
そうですよね。でも、今住んでいる国や他の国を旅しても、同じような匂いを感じる場所ってありますか?
Farah:
うーん、この夏いろんな場所を旅したけど、チュニジアのあの匂いはなかなか感じられませんでした。でも最近、東京で雨が降ったときに、少し似た匂いを感じたんです。京都のときは違ったけど、東京では「あ、これだ」って思いました。
Ayumi:
それって、国の違いじゃなくて地域とか土の種類の違いなんですかね?
Farah:
たぶん土壌の違いだと思います。面白いですよね。
Ayumi:
今まで“雨のあとの土の匂い”なんて意識したことなかった(笑)
でも、なんか面白いですね。
Ayumi:
ちなみにインドでかいだ匂いは、他の場所では違って感じましたか?
Deepak:
いや、もう全然違いますね。
僕の育った場所は独特で、コーヒーの香りがいつも漂っているせいで、その香りと混ざった匂いが、僕にとっては特別なんです。

── あなたの文化の中で、「自然と調和して生きる」という考え方が表れている風習や言葉はありますか?
Elea: “ビーガン”という選択
自然そのものというよりも、最近のフランスではビーガンの人がすごく増えているんです。
だから、「動物と調和して生きる」という考え方が広がっている気がしますね。自分のまわりの環境を大切にするという意味では、自然と共に生きることにも通じていると思います。
Deepak: “木を敬う”という心の文化
インドでは、宗教と少し関係のある風習があるんです。
昔は「peepal tree(菩提樹)」という木を神聖なものとして祀る習慣がありました。
その木を拝むと心が落ち着く、と信じられていて。
たぶん、木のまわりの雰囲気とか、そこに流れる空気のせいなのかもしれませんが、
とにかく、その木を崇拝することで心が整うという伝統的な考え方がありました。
その木のまわりにいると、全体的に穏やかな気持ちになれるんです。
| ※「peepal tree(菩提樹)」はインドや南アジアの一部地域で神聖な木とされています。「聖なるイチジク」または「菩提樹」とも呼ばれ、心の安らぎや長寿、精神的な目覚めの象徴として知られています。また、周囲の空気や環境を浄化すると信じられています。 |
Ayumi:
それってインドだけの文化なんですか?
Deepak:
僕が見た限りでは、インドだけですね。他の国ではあまり見たことがありません。
Farah:
面白いですね。
Akane: “旬”に生きるという感性
私は「旬」って言葉を思い浮かべました。
他の国はどうか分からないけど、日本は四季がはっきりしているので、
季節の食べ物や景色を大切にする文化がありますよね。
季節が変わるたびに、食材も風景もガラッと変わる。
そうやって自然の移ろいを感じながら暮らすのが、日本らしいところだと思います。

Chapter2:Awakening and Action「転機」——環境問題が“自分ごと”になった瞬間
── 環境問題を「自分ごと」として意識するようになったきっかけや転機はありますか?
Ayumi Sakuno: 旅先で見た“現実”
私は旅行が好きで、これまで25か国以上を旅してきました。
その中で、道や海辺などにゴミが散乱している光景をたくさん見たんです。日本ではあまり見かけない光景だったので、本当にショックでした。
それ以来、「身の回りのゴミ」に意識を向けるようになったのが、私にとっての転機だったと思います。

Deepak: 変わりゆく故郷の記憶
僕もインドで同じようなことを感じました。昔は池だった場所が、今ではほとんどプールみたいになってしまっていて……つまり、環境がどんどん変わっているんですよね。
10年前には木が生い茂っていたところが、今はビルになっていたり。Ayumiさんが言っていた「ゴミの問題」も同じで、変化がすごく大きいです。
ただ最近は、環境をきれいにしようという新しい規制や政策も増えてきています。
Farah: 干ばつの国で生きるということ
私の国(チュニジア)は、気候変動の影響をすごく強く受けている地域なんです。
降水量が年々減っていて、それが農業に直結しています。
たとえばチュニジアは世界でも有数のオリーブオイル輸出国なんですが、オリーブの収穫量がどんどん減っていて、地中海沿岸の国々全体が同じ問題を抱えています。雨が少ないことで、オリーブだけでなく他の農産物も影響を受けていて、スーパーに行くと果物や野菜の値段がすごく高くなっているんです。
それは国民の生活にも直接響いています。実際、日本でもここ2年ほどでオリーブオイルの値段が倍近くに上がっていますが、それも私たちが直面している気候変動の影響です。
それに、私の町では干ばつが深刻で、しばしば断水が起きます。1人あたりの水の供給量が足りなくて、私たちは昔からの習慣として雨水を貯めて使っているんです。
そうやって乾季をしのいで生活しています。
……これが、環境問題を“実感”として感じるようになった大きなきっかけです。

Elea: 消えた“冬の雪”
私の場合は、子どもの頃のフランスでの体験ですね。
昔は四季がはっきりしていて、冬には毎年のように雪が降っていました。でもここ数年、雪を見ていないんです。
「そういえば、もう何年も雪を見てないな」って気づいたときに、ああ、本当に気候が変わってきているんだなって実感しました。
最近では、四季というより“二季”に近い感じで、冬から春をほとんど飛ばして、一気に夏みたいな気候になることも多いです。子どもの頃は夏の最高気温がせいぜい25度くらいだったのに、今は32度、33度まで上がります。冬も、昔はマイナス1度くらいが一番寒い日だったけど、今はマイナス5〜6度になることもあって、でも雪は降らない。
気候が極端になっているのをすごく感じます。
Interviewer:
そういえば、ヨーロッパって家にエアコンがあまりないって聞いたんですけど、本当ですか?
Elea:
はい、それが今すごく問題になっているんです。
昔は気候が穏やかで、エアコンなんて必要なかった。でも今は必要なのに、家にないんです。
文化的な理由もあって、特に冬は「室内と外の温度差があると風邪をひく」と言われていて、エアコンを使うのを嫌がる人も多いんですよ。

Farah:
日本との違いを感じますね。日本では冷房も暖房も、エアコン一台で切り替えられますよね。でも私の国では、冷房用と暖房用は別々なんです。
それはさておき……気温の話で言えば、今では私の国では夏に52度になることもあるんですよ。
Everyone:
52度!?
Farah:
はい、摂氏で(笑)
Ayumi:
52度!? それでエアコンないんですか!?
Farah:
いやいや、もちろん家にはありますよ(笑)
Interviewer:
それって、やっぱり地球温暖化の影響だと思いますか?
Farah:
間違いなくそうです。
そこで私の家(実家)は昔ながらの造りで、岩を使って建てられているんです。
その岩が夏は熱を遮って家の中を涼しくして、冬は逆に熱を蓄えて暖かくしてくれる。そういう“自然の工夫”で、気候に合わせた家づくりをしてきました。
家を建てるときも、風が通りやすいように方角を意識したりします。
Deepak:
インドでも似たような考え方がありますね。
最近は技術が進んで家の造りも変わってきましたが、屋根だけは昔からタイルを使うのが一般的です。タイル屋根は熱を逃がしやすく、暑い地域でも家の中を涼しく保てるんです。
Chapter3:Identity as Strength「違いが力に変わるとき」——多様性から生まれるシナジー
── 自分のバックグラウンドが“強み”になったと感じた経験はありますか?
Deepak: 競争が教えてくれた“しなやかさ”
実は僕は日本に来てもう13年くらいになります。
インド出身なんですが、インドって本当にどんな分野でも競争が激しいんです。勉強でも就職でも、常に「競い合う」文化があります。そういう環境で育ったことが、今の自分の“適応力”につながっていると思います。
日本では、いろんな国の人と関わったり、異なる文化の中で働いたりすることが多いので、 相手に合わせて柔軟に対応する力――これは、インドで培った競争心があったからこそだと感じます。それが今の日本での仕事にも生かせているし、プロフェッショナルとしても成長の糧になっています。
Elea:フランスで大切にしてきた礼儀
私は、フランスと日本には意外と共通点が多いと思っていて。
たとえば「礼儀」に対する考え方。フランス人も実は、かなりきちんとしたマナーや丁寧さを大切にするんです。だから日本の礼儀正しさにもすんなり馴染めました。
もちろん文化は違うけれど、根っこの部分に共感できるところが多い。
それに、フランス出身というだけで、ポジティブに受け取ってもらえる場面も多くて(笑)それはありがたい“プラスの先入観”だと思っています。
Ayumi: 違いをつなぐ“橋渡し役”
うーん、はっきりとは言えないけど……
私はこれまで、いろんな国やバックグラウンドの人と関わってきた経験があるので、人それぞれ考え方や感じ方が違う、ということを自然に受け入れられるようになりました。なので、誰かの意見をじっくり聞いて、その上で人と人をつなぐ――そんな姿勢は、自分の経験から生まれた“強み”かもしれません。すみません、ちょっとまとまってないけど(笑)そんな感じです。
Farah: オープンな心と多言語が生む連帯
私の国、チュニジアの人たちはすごくオープンで、人と関わるのが大好きなんです。だから、初めての環境やチームにも自然に溶け込める――それが自分の強みだと思っています。
それと、チュニジアでは学校教育で多言語を学ぶんです。母語のアラビア語に加えて、植民地時代の影響でフランス語が第二言語。さらに英語やラテン語も勉強します。そのことが役に立って、海外のクライアントやチームメンバーともスムーズにコミュニケーションが取れるんです。
これも、自分のバックグラウンドが活きている部分ですね。

── Green Carbonでの研究やプロジェクトに、どんな特別な意味や魅力を感じていますか?GCで国際的なプロジェクトに携われることの魅力で思い当たることがあれば絡めて教えてください。
Farah: 環境と社会を動かす“エンパワーの力”
私がGreen Carbonで働く中で特に魅力を感じているのは、JCM(Joint Crediting Mechanism)に関わるプロジェクトがあることです。これは開発途上国が自国のNDC(温室効果ガス削減目標)を達成できるよう支援する国際的な仕組みで、気候ファイナンスや、農家や地域のステークホルダーへの能力開発、技術移転などを通じて実現していきます。
こうした取り組みは、私にとってとても個人的で意味のあるものです。人々が環境だけでなく社会にも前向きな影響を与えられるよう、「力を与える(empower)」という側面があるからです。
自分たちの活動の価値や影響を測るときに、それが社会や環境に“ポジティブな変化”をもたらしている――その実感が何よりのやりがいです。これこそが、私がGreen Carbonに惹かれ、日本に来た理由でもあります。
| ※JCM(Joing Crediting Mechanism):日本と開発途上国が共同で温室効果ガスの削減・吸収プロジェクトを実施し、その成果を両国で分け合う国際的な制度。日本の環境省などが主導している。 ※ NDC(Nationally Determined Contributions):各国が国連に提出する、パリ協定のもとでの温室効果ガス削減目標。各国が自ら定め、国際的に報告・更新する義務を持つ。 |
Elea: 異なる現場で学ぶ
私はもともと経済学とサステナブル開発に関わる仕事をしたいと思っていました。
フランスは農業大国なので、 フランスでは農業分野に関わっていたのですが、その経験を今は開発途上国で活かせていることがうれしいです。
プロジェクトの進め方や環境が全く違うので、毎日が新しい発見の連続です。とても興味深いし、学びの多い経験になっています。
Ayumi: 人の幸せを支える循環
私の個人的な目標は、「世界中の人を幸せにすること」です。
Green Carbonでは、さまざまな国と一緒に自然に基づくプロジェクトを進めているので、それが環境だけでなく、人々の生活にも良い影響を与えていると思います。
農家さんの暮らしが豊かになったり、最終的には私たち消費者にもつながる――そんな“社会的インパクト”を感じられることがうれしいですね。
Deepak: 自身と組織を成長させる世界の水準
この質問はとても大切ですね。
国際プロジェクトに関わる魅力は、大きく「外」と「内」の2つに分かれます。
外向きでは、海外のパートナー企業と対話しながらプロジェクトを進めていくこと。それぞれの文化を理解し、現地に合わせて自社のプロジェクトを“チューニング”していく。私は投資部門にいるので、世界でもトップクラスの企業と話す機会が多いのですが、そのたびに自分たちの基準を世界水準に引き上げる意識を持ちます。
一方で、内向きには、それを自分たちのチームに還元し、文化や考え方の違いを共有して、より良い組織づくりにつなげていく。個人としても、プロとしても学びが多いです。
そして何より、私たちの仕事は単なるビジネスではなく“持続可能性への貢献”そのもの。自分のキャリアの多くを、社会のより良い未来のために使えている――それが一番の誇りです。

Akane: 実感ある学び
私は日本で環境や農業に関わる仕事ができていること自体、とても嬉しいです。
大学では「ブルーカーボン(海洋生態系によるCO₂吸収)」を研究していて、Green Carbonでの仕事はその理解を深めるうえでもとても役立っています。実際のプロジェクトに関わることで、カーボンクレジットの仕組みをより実感をもって学べています。
| ※ ブルーカーボン(海洋生態系によるCO₂吸収):海草藻場、マングローブ林、塩性湿地などの海洋・沿岸生態系によって吸収・貯留される二酸化炭素、およびそれを基盤としたカーボンクレジットのカテゴリーを指す。森林など陸域の「グリーンカーボン」と対比され、気候変動緩和の重要な自然由来の解決策(Nature-based Solution)として注目されている。 |

Chapter4:Message「国境を越えて働く君へ」——未来の仲間へ
── 国境を越えて働くようになった今、世界中の10代にアドバイスをするとしたら?
Farah: 夢を信じ、外へ出る勇気を
どんなことがあっても、自分の夢をあきらめないでください。
自分を小さく見積もらずに、もっと大きく考えて。
自分を信じれば、きっと素晴らしいことができるはず。
だからこそ、安心できる場所(コンフォートゾーン)から一歩外に出て、自由になってください。
Elea: 一歩が、人生を変える
海外に出るって、とても怖いことだと思います。特に遠く離れた場所に行くときは。
でも、その一歩を踏み出すことが、人生で最高の経験になると思うんです。自分自身や他の人のことを深く理解できるようになるし、人としても、仕事の面でも成長できます。
だから、もしチャンスがあるなら、ぜひ自分のために挑戦してみてほしいです。
Ayumi: 旅が視野をひらく
私も同じ気持ちです。
世界中を旅して、たくさんの景色を見て、いろんな人と出会って、たくさん考えてみてください。そうすれば、自分が本当にやりたいことや、解決したい課題が見えてくるはず。
経験を重ねることこそが、人生で一番大切なことだと思います。
Deepak: 夢を止めず、幅広い視点で学び続ける
僕が日本に来たのは22歳のときでした。
当時、夢の話をする人なんて周りにはほとんどいなくて、とても勇気のいる決断でした。
でも、どこの国にいても同じです。挑戦しようとする気持ちは、誰にでも必要だと思います。日本の人たちは少し控えめで、インドでは競争が激しすぎる。どちらにも難しさはありますが、大切なのは“夢を止めないこと”。コンフォートゾーンから出て、自分で可能性を切り開くことです。
それと、最近では「サステナビリティ」が新しい分野として注目されています。発展途上国ではエンジニアや医師といった職業が注目されがちですが、持続可能な社会を支える分野にもたくさんの可能性があります。科学や経済のように一方向からではなく、幅広い視点で学び、挑戦していってほしいですね。

Akane: 好きなことを、恐れずに
私は国内の部署で働いているので、海外の人と一緒に仕事をする機会はあまり多くないのですが、大学で農業を学んできたことや、友人を通じてこの会社で働けていることは大きなきっかけでした。
だからこそ、自分の好きなことをたくさん経験してみてほしいです。
怖がらずに、人との関わりの中で成長していってください。
── Green Carbonで働く中で「文化の多様性」を感じたことはありますか? それはGCのカルチャーにどうつながっていますか?
Akane: 違っても、目指す場所は同じ
私は日本の国内部署にいるので、以前はあまり海外の人と関わる機会がありませんでした。
でもここで初めて、多国籍なメンバーと一緒に話をしてみて、
「みんな出身地は違っても、同じ目標に向かって働いているんだな」と実感しました。
それこそがGreen Carbonの文化だと思います。
Deepak: 家族のような強さ
まず一番に感じるのは「多様性」ですね。
10か国以上からメンバーが集まっていて、文化も価値観も本当にさまざまです。
でも、仕事を面白くしているのは“仕事そのもの”じゃなく、“一緒に働く人たち”なんです。
Green Carbonの素晴らしいところは、どんなチームでもお互いに助け合えること。サポートが必要なとき、どの部署の誰でも気軽に手を差し伸べてくれる。それは単なるプロジェクトの支援だけじゃなくて、人として・プロとして成長を支えてくれる環境です。
この会社では、自分のキャリアや夢を自分の手で築ける。「働くこと=お金のため」ではなく、「働くこと=自分を幸せにすること」。出社日も働き方も自由だけど、僕はあえてオフィスに行くようにしています。仲間に会って話すことで、チームの一体感を感じられるから。
Green Carbonは、同僚であり、家族のような存在です。
この“つながりの強さ”こそ、どんな会社にも大切な文化だと思います。
Ayumi: 多様性の創造性と可能性
本当にその通りだと思います。世界中のいろんな国から人が集まっているから、1つのアイデアをいろんな角度から考えられるんです。
オフィスでのちょっとした会話もすごく楽しくて、「カルチャー・ナイト」みたいなイベントも、Green Carbonだからこそできること。それぞれの文化や価値観を深く知ることで、会社としても、プロジェクトとしても、もっと多様な展開ができると感じています。
| ※ カルチャー・ナイト(Culture Night):Green Carbonの社内イベントの一つで、多国籍メンバーが自国の文化・食・価値観を紹介し合う交流会。たとえば「インディア・カルチャー・ナイト」では、本格的なインド料理を楽しみながら、現地の生活や文化について語り合う時間が設けられた。 ☞ Green Carbon公式LinkedIn投稿(India Culture Night) |
Elea: 違いを楽しみ、学び合う
私は特に、開発途上国出身のインターンの人たちと一緒に働く機会が多いんですが、みんな働き方が違うのに、どの人も同じだけ一生懸命なんです。その違いを楽しみながら、一緒に成果を出せるのがすごく面白いです。
そして何より、みんな母国語が違うのに、ちゃんと意思疎通ができる。私なんてファラと同じフランス語を話すのに、英語でしか話していません(笑)
それでもちゃんと通じ合えるんです。
日常では意識していないけど、ふとした瞬間に「すごいことだな」と感じます。文化や考え方を学べる、貴重な経験です。
Farah: 違いを尊重し、つながる思いやりの輪
Green Carbonの素晴らしいところは、多様であっても「お互いの違いを尊重し合える」ことだと思います。宗教や食事の制限、価値観など――どんな背景でも自然に受け入れてくれる。
たとえばこの前の「インディア・カルチャー・ナイト」のイベントでは、全員の文化や食のスタイルに合わせたメニューを準備してくれていました。そういう“思いやり”が当たり前にあるんです。
それに、会社のコミュニケーションはとてもフラット。役職に関係なく、誰にでも気軽に話しかけられる。言葉の壁があっても、Google翻訳を使ったりして、ちゃんと意思疎通ができる。
そして何より、同僚というより「仲間」。
困ったときは誰かが必ず笑顔で助けてくれる――そんな“安心していられる関係性”があるのが、Green Carbonの文化だと思います。








おわりに
今回の対話を通じて浮かび上がったのは、
出発点の違いよりも、一人ひとりが自分の言葉で「なぜ環境に向き合うのか」語る、
その向かう先の一致でした。
そこには、Green Carbonという場が持つ開かれた挑戦の文化、互いの違いを尊重しながら学び
合う関係性、そして“地球の未来に貢献したい”という確かな使命感が息づいています。
カーボンクレジットという新たなフロンティアで、
自分の専門性を磨き、
社会に価値を還元し、
仲間とともにより良い地球をつくっていく――。
Green Carbonは、そんな志を持つ人にとって、
自らの可能性を広げる最高のフィールドであり続けるでしょう。
このインタビューが、あなた自身の“次の一歩”を考えるきっかけになれば幸いです。

