-ベトナムでの水田メタンガス削減プロジェクトの全土展開に向けた調査事業を開始-
Green Carbon株式会社(代表取締役:大北潤、以下Green Carbon(読み:グリーンカーボン))は国際協力機構(JICA)2023年度「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択されたことをお知らせします(2023年度採択:68件)。国際協力機構(JICA)の審査を経て、当社の取り組みが開発途上国の課題解決やSDGsのゴールに貢献するものとして、採択の運びとなりました。採択された調査により、ベトナムでの事業展開の加速を目指します。
◆2023年度「中小企業・SDGsビジネス支援事業」概要
中小企業・SDGsビジネス支援事業(以下、本支援事業)では、開発途上国の課題解決に資する製品/サービス・技術・ノウハウを有する日本の民間企業等の海外ビジネス展開支援を通じて、開発インパクトへの貢献によるSDGsの達成促進と、ODA(政府開発援助)を通じた二国間関係の強化や経済関係の一層の推進に資することを目的としています。
◆申請の背景
弊社は2023年9月から、ベトナム国営企業であるNorthern Nghe An Irrigation Management Limited Companyと連携し、約30,000haの水田圃場において、AWD*と呼ばれる水管理によるメタンガス削減プロジェクトの組成を進めてまいりました。
このプロジェクトをベトナム全土に普及拡大するために、各地域の土壌性質や灌漑設備の整備状況、現地農家が適用している農法の把握といった基礎調査を行うために、本支援事業へ申請を行いました。
*AWD (間断灌漑)の実施イメージ
AWD(間断灌漑)は水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返すという手法になります。栽培期間中に田を複数回乾燥させ空気に曝露させることで、嫌気性の発酵によるメタンガスの排出を削減します。 AWD(間断灌漑)の場合、連続的な入水に比べ、水使用量を削減することができ、水資源の保全にも寄与します。
・*AWD(間断灌漑)実施の水位イメージ
◆採択案件の概要
採択案件名
ベトナム国水田でのメタンガス排出削減によるカーボンクレジット創出を通じた農家の生計向上と脱炭素の実現に関するビジネス化実証事業
現地企業や政府との協力・連携
Northern Nghe An Irrigation Management Limited Company*
*ベトナムゲアン省の灌漑設備を管理している国営企業
調査内容
弊社がすでにプロジェクトを組成しているゲアン省の地域から基礎調査を開始し、ベトナム全土におけるプロジェクト組成において、最も効率的で、参加農家にとってメリットの多い方法を模索する。
期待される裨益効果
ベトナム国内の水田面積は約700万haにのぼる。(日本の3倍以上)ベトナム全土の水田でカーボンクレジット創出を実施した場合、創出ポテンシャルと経済効果は、840億円にのぼる。(6t-CO2/ha、2000円/tで計算)本プロジェクトを実施した際に期待される効果として、農家の副収入取得による所得の向上、ベトナム国内でのカーボンクレジット市場が動き出せば、排出削減目標達成にも寄与しうる。