今回は海外事業部で働いているAlysaa(アリッサ)さんにインタビューを行いました。是非最後までご一読ください!
Q.これまでのキャリアを含め簡単な自己紹介をお願いします。
はじめまして、ヤップ・アリッサといいます。フィリピン出身で、中学・高校はベトナムで過ごし、その後日本に移ってきました。2018年に東京大学で学士を取得してからは東京に住んでいます。2024年には東大大学院で学際情報学の修士号を取得し、大学ではイノベーションやAI倫理、身体の多様性、グローバル・ガバナンスといったテーマを中心に研究していて、ジェンダーやマイノリティの課題にも取り組んできました。
Green Carbonに入る前は、様々な分野で小さくても幅広く活動してきました。たとえば、ASEANの若者たちと一緒にサステナビリティに関するプロジェクトを立ち上げたり、イェール大学の気候フォーラムや世界気候変動大学連盟(GAUC)と連携したりもしました。
そのほかにも、AIの公平性をテーマにした国際プロジェクトの企画や、AIセキュリティ、技術リテラシー、デジタル・インクルージョンについての多言語調査などにも関わってきました。
少し違うジャンルでは、世界中の生徒にオンラインで教えたり、日本各地で対面授業を行ったりもしています。授業では、「Business for Good」「AI Ethics」「Introduction to AI and Robots」といった、自作のオリジナルカリキュラムを使って教えています。
分野や国、コミュニティの垣根を越えて知識をつなぐことに強く関心があって、次の世代に向けたテクノロジーやデジタルリテラシーの普及にも力を入れています。研究以外では、文章を書いたりアートを展示したりと、表現の幅も広げています!

Q. 現在どのようなお仕事を担当されていますか?
Green Carbonでは、カーボンクレジットに関する方法論のリサーチやバリデーション、さらに一部では事業開発やオペレーションのサポートも担当しています。たとえば、AWD(間断灌漑)、バイオ炭、森林再生、カーボンファーミング、マングローブの再生といった技術について、国際的な標準を理解しつつ、それを実際にフィリピンやベトナム、カンボジアなどの現地で、どのように実装するかを日々考えています。
普段は方法論のデスクリサーチやバリデーションの申請、新しいビジネスの形を模索する業務に加えて、最近ではデジタルMRV(測定・報告・検証)システムの設計にも関わりはじめています。
中でも特にやりがいを感じているのは、役割の垣根を越えていろんなことに柔軟に取り組めること。そして、国やチームをまたいでコミュニケーションの橋渡し役ができることです。複雑な検証プロセスを、現地のパートナーが理解しやすいように、具体的で実践的なステップに落とし込んでいく作業は、自分の強みが活きていると実感しています。
国際的なプロジェクトに関われることで、自分のルーツとも、広い世界ともつながっていられる、そんな感覚がこの仕事の大きな魅力のひとつです。
Q. 今後、挑戦したいことはなんですか?
これからは、カーボンクレジットの分野で「コ・ベネフィット(共通便益)」のモニタリングをもっと広げていきたいと考えています。たとえば、生物多様性の保全や、ジェンダーやマイノリティのエンパワーメント、先住民族の知恵など、カーボン以外にも大切な価値がたくさんあると思っていて、そういう部分にももっと光を当てていきたいです。
カーボン(炭素)はあくまで全体のストーリーの一部であって、本当はもっと広い気候レジリエンスや社会的なインパクト全体を伝えていくことが大事だと思っています。
また、気候や環境に関するデータを、専門家じゃない人にもわかりやすく届けられるツールづくりにも興味があります。特に、東南アジアの人たちにとってアクセスしやすい仕組みを作っていきたいなと思っていて、自分が話せる英語、フィリピノ語、フランス語、日本語、韓国語を活かして、いろんなパートナーとアイデアをやりとりできるのが楽しみです!
あと、ハイキングやキャンプが大好きなので、新しいプロジェクトの中で現地調査に行ける機会があったらすごくうれしいです!
Q. 10年後になりたい姿はなんですか?
10年後には博士号を取って、今のような、クリエイティブでワクワクするような仕事を続けていたいと思っています。これまでの経験が、テクノロジーと社会正義が交わるようなテーマでの研究や、短編小説、アート作品のアイデアにつながっていったら嬉しいです。
最終的には、特にグローバル・サウスの人たちが、自分に合ったツールを使いながら、自分らしく主体的に行動できるようサポートできる存在になりたいと思っています。

Q. GreenCarbonで働いて、嬉しかったことはなんですか?
カーボンクレジットの分野でAIの可能性を初めて実感したときは、本当に嬉しかったです。AI倫理のバックグラウンドがある自分にとって、ただ便利なツールとして使うだけじゃなくて、社会や気候への影響もきちんと考えながらテクノロジーを活用するっていうこの分野の考え方には、すごく共感しています。
これまでやってきた読解や分析、翻訳、戦略づくりといった“裏方”の仕事も、プロジェクトのミッションをより公平に、より多くの人に届く形で前に進めるための力になっていると実感しています。
それに加えて、入社初日から信頼して任せてもらえたことにも感謝しています。国際提案書の作成を手伝ったり、フィールドビジットに参加したり、自分の意見をしっかり受け止めてもらえる環境があるのは、本当にありがたいし、やりがいにつながっています。
Q. 最後に、GreenCarbonで働きたい人へメッセージをお願いします。
Green Carbonは、「良いビジネス」って何だろう?をいろんな角度から探求できる場所です。好奇心があって、柔軟に動けて、気候変動に対して本気で取り組みたいと思っている人にとっては、すごくやりがいのある環境だと思います。
農家さんや研究者、政府の方々、国際的な検証機関など、関わる人も分野も本当に多様で、毎日が新しい発見の連続です。チームも、一人ひとりの得意なことや個性をすごく大切にしてくれるので、自分の意見を持って、それを発信していきたいっていう人にはぴったりの職場だと思います!