—2032年までの7年間で約400万トンの炭素クレジットの創出を目指しています。—
ネイチャーベースのカーボンクレジット創出販売事業を展開するGreen Carbon株式会社(代表取締役:大北潤、以下Green Carbon(読み;グリーンカーボン))は、ベトナム南部アンザン省で実施中のVM0051「水田におけるAWD※1導入によるメタンガス削減プロジェクト」(以下本プロジェクト)の申請が、4月1日付で自主的なカーボンクレジット基準であるVerra※2に受理され、同種のプロジェクトとしては世界で初めて登録されたことをお知らせします。
アンザン省では、グリーンカーボンが約100ヘクタールの水田で、年間を通じて3つの作物サイクルをカバーする実証を完了しました。この結果に基づき、同社は2032年までの7年間でプロジェクト面積を約11万6000ヘクタールに拡大し、約400万トンのカーボンクレジットの創出を目指しています。
◆プロジェクト登録の背景
グリーンカーボンは、東南アジアを中心にネイチャーベースのカーボンクレジット創出事業を展開しており、森林保全、水田、マングローブ植林、牛のげっぷ削減、バイオ炭プロジェクトなど、カーボンクレジット創出事業を幅広く展開しています。各地域の天然資源の特性に応じたカーボンクレジット創出プロジェクトを展開する一方、衛星データを活用した適切な立地選定やモニタリングにより、効率的で透明性の高いプロジェクト運営を実現しています。
2023年2月3日、国際的なカーボンオフセット基準管理機関であるVerraは、稲わら※3からのメタンガス削減に関するVerified Carbon Standard(VCS)のカーボンクレジット登録を一時停止すると発表しました。これは、方法論の内部中間レビューにおいて調整が必要と判断されたためです。こうした背景を踏まえ、2025年2月28日、 カーボンクレジット発行基準VCSは、稲作における温室効果ガス排出削減に関する炭素クレジット方法論「VM0051 Improved Management in Rice Production Systems」を発行し、制度を復活させました。
上記の内容に基づき、Green Carbonがアンザン省で実施するプロジェクトについてVerraに申請したところ、受理され、同種プロジェクトとして世界初の登録となりました。アンザン省では、約100ヘクタールの水田で通年3作期の実証が終了し、この結果を踏まえ、2032年までの7年間で約11万6,000ヘクタールまで拡大し、約400万トンのカーボンクレジットの創出を目指しています。

○参考:Verra公式ウェブサイト – プロジェクト登録情報
○URL: https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/5469
◆今後の展望
①ベトナムでの100万ヘクタールプロジェクトへの貢献
2023年11月に発表された「100万ヘクタールプロジェクト」は、ベトナム政府が最重要課題として主導し、2030年までにメコンデルタ地域の総水田面積のうち100万ヘクタールで高品質で環境負荷の少ない稲作を推進することを目的としており、日本の農林水産省と同様の機能を持つベトナムの農業農村開発省(MARD)が主導し、国際機関や開発パートナーと連携して実施しています。
グリーンカーボンは、AWDを主力事業としてベトナムの水田におけるメタンガス削減プロジェクトを進めています。2024年8月にベトナム支社を設立し、現在22省でMOUを締結してプロジェクト開発を進めており、「100万ヘクタールプロジェクト」に日本企業として初めて正式に参画します。グリーンカーボンは、炭素クレジットの創出にとどまらず、日本や国際的な輸出基準を満たす米の生産管理システムの確立を支援することで、農家の総所得を向上させる取り組みを推進しています。
グリーンカーボンは現在、「100万ヘクタールプロジェクト」の一環として、ベトナムのメコンデルタ地域3地域(カントー市、バクリエウ省、ソクチャン省)の水田において、同地域の稲作研究機関であるクーロンデルタ稲研究所(CLRRI※4)と共同で、AWD導入によるメタンガス削減のパイロット実証試験を行っています。各地域において、AWD導入によるメタンガス削減や米の収量増加などの成果が、2025年度の1作目で確認されています。
②ジャポニカ米の輸出促進
現在、日本では政府の作付面積削減政策や断続的な異常気象など様々な要因が重なり、米価の高騰や米不足の問題に直面している。この問題を解決するためには輸入米の活用が必要だが、日本の米の品質基準は高く、海外からの輸入米の調達は難しい状況です。
そこでグリーンカーボンは、本プロジェクトを通じてカーボンクレジットを創出するだけでなく、ベトナム最大の米生産面積を持つLoc Troiグループ※5や現地の輸出事業者など、ベトナムのパートナーと連携し、農家の農薬管理、生産体制、米の品質向上を目指し、日本の品質基準を満たしたジャポニカ米の輸出を積極的に推進し、日本の米不足問題の解決に貢献していきます。
※1:間断灌漑
間断灌漑(AWD)は水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返すという手法になります。間断灌漑(AWD)の場合、連続的な入水に比べ、水使用量を削減することができ、水資源の保全にも寄与します。
※2: Verra
2005年に3団体によって設立: 国際排出量取引協会(IETA)、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)、気候グループの3団体によって2005年に設立された。現在はVerraという民間団体が運営している。VCS(Verified Carbon Standard)とは、企業や団体、個人が実施する温室効果ガス削減プロジェクトから発行されるクレジットを認証するための、世界で最も広く利用されている基準を指す。温室効果ガスの排出削減・除去量をクレジットとして扱うことができ、近年注目を集めている。クレジットは、温室効果ガスの削減量が信頼に足るものであることを証明するものであり、一般商品と同様に取引可能である。
※3: メソドロジー・サスペンション
https://verra.org/verra-initiates-review-of-unfccc-cdm-rice-cultivation-methodology/
※4: CLRRI
ベトナムのメコンデルタ地方に拠点を置く政府機関で、稲作を専門とする研究機関。ベトナムの農業科学において重要な役割を果たし、革新的な研究を推進している。
※5: Loc Troi Group
2005年6月よりハイブリッド・トウモロコシとハイブリッド・ライスの種子を販売する農業種子事業を開始し、2010年より農業分野における生産と事業活動を拡大している。ベトナム全土の農家に、耕作面積あたりの生産性向上と高効率をもたらす優れた種子セットを提供し、農家の生活の質と繁栄の向上に貢献している。また、スマート農業に関連する技術への融資も行っており、農家とビジネスコミュニティの生産効率と事業成果の向上に努めている。
◆Green Carbon 株式会社
代表者 :代表取締役 大北 潤
所在地 :東京都港区赤坂5-2-33IsaI AKASAKA607
設立 :2019年12月
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
URL : https://green-carbon.co.jp/
◆Green Carbon Japan Vietnam有限会社
略称:Green Carbon Japan Vietnam Co., Ltd
代表者:代表取締役 大北 潤
所在地:ベトナム・ホーチミン市1区ベンゲー地区トンドゥクタン通り34-3B、The Nexusビル10階
設立:2024年8月
事業内容:カーボンクレジットの創出および販売事業、農業関連事業
◆Green Carbon事業紹介
Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンとして掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジット創出・登録・販売までを一気通貫してサポートする事業を展開しており、その他にも、農業関連事業、研究開発事業、ESGコンサルティング事業なども展開しております。
事業展開領域は日本、東南アジアを中心にオーストラリア、南米まで拡大しており、自然由来のカーボンクレジット(水田、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、牛のゲップなど)を創出しています。国内の水田においては、2023年度日本初・最大級(約6,220t)で水田のJ-クレジットの認証を取得しており、2024年度は約40,000ha(約100,000t)に拡大していく予定です。また、クレジット登録・申請・販売までをワンプラットフォームで完結するサービス「Agreen(アグリーン)」を提供しており、クレジットの申請登録時にかかる手続きや書類作成などを簡略化し、クレジット創出者の工数を削減しています。
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